実際、日銀が1月29日にマイナス金利を決定したのも、強力に物価を押し上げる「効果」を期待してのことだと思われる。同時に強力な押し上げ効果を加える必要があるほど、かなり強い押し下げの力も働いているとみるのが自然だろう。
「世界経済の低体温症」は、金融政策における緩和強化だけでは、対応が難しいという声が、米欧の有識者から出始めている。26、27日の上海における20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を前に、米国は財政面でのてこ入れの必要性を主張し始めた。「G20後に急激な円高と株安が発生しませんように」-。多くの日本の市場関係者が祈るような心境になっているのではないか。
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【プロフィル】田巻一彦
たまき・かずひこ ロイターニュースエディター 慶大卒。毎日新聞経済部を経てロイター副編集長、コラムニストからニュースエディター。55歳。東京都出身。