中国は習近平指導部が「新常態(ニューノーマル)」と名付けた成長鈍化時代に入った。それでも、世界的にみればなお高水準だ。GDP成長率が6・9%だった15年、米国より少なかったとはいえ4390億ドル増えた。これはマレーシアの14年の名目GDPの3383億ドルを大きく上回っている。毎年、東南アジアの1つの国に相当する分のGDPを生み出しているとの見方もできるだろう。
ただ、習氏が中国共産党総書記に就任した12年、中国に異変の兆しがみえた。GDP成長率は物価変動の影響を除いた実質で11年までの10%前後から一気に7%台まで下降。習氏が国家主席に就いた13年には横ばいだったが、14年、15年とジリジリ成長鈍化が続いている。米国を追い上げるパワーも息切れし始めたようだ。
このまま米国に引き離されるのか、それとも中国が成長スピードを取り戻すのか。16年から始まる中国の「第13次5カ年計画」にカギがある。