講演する日銀の黒田東彦総裁=7日午後、東京都千代田区【拡大】
マイナス金利政策が始まって以降、市場金利の低下が加速している。かつてない事態に、投資家や生活者は戸惑いを隠せないでいる。
家計や企業への影響について、黒田総裁は「プラスの効果が大きい」と強調。預金金利は低下しているものの、貸出金利や住宅ローン金利はそれ以上に下がっているため、資金流動を促す効果が得られるためだ。
ただ、マイナス金利政策を先行導入した欧州では、「銀行の経営が圧迫され、貸し渋りや貸出金利の引き上げにつながる」との懸念も出ている。黒田総裁は邦銀の収益面が過去最高水準であることなどから、「日本では金融仲介機能が弱まることは全く考えられない」と反論した。
また、利ざやが縮小している背景について、黒田総裁は「根本的な原因はデフレだ」と指摘した。
マイナス金利幅をさらに拡大する可能性については「必要な場合には追加的なことを考えるが、現在の政策の下で、2017年度前半ごろに2%の物価上昇率目標に達する可能性が高い」と述べた。黒田総裁は「デフレに戻ることはない」とも強調し、2%の物価安定目標の実現に意欲を示した。
安倍晋三首相もこの日の参院予算委員会で、「デフレからの脱却に寄与することを期待している」とエールを送った。