【高論卓説】「金利消滅」が招いた銀行株急落 (1/3ページ)

2016.3.10 05:00

 ■マルクスも驚く? 資本主義の危機

 日銀のマイナス金利策導入を機に、銀行株が大きく下げた。東証第1部の業種別株価指数「銀行」は2015年6月の昨年来高値から、16年2月につけた安値まで47%強下落した。この間の日経平均株価の下落率28%強を大きく上回った。個々の銘柄の動きを見ると、下げのきつさがより鮮明だ。同じ期間で三菱UFJフィナンシャルグループ株は53%強、三井住友フィナンシャルグループ株は51%強、みずほフィナンシャルグループ株が46%強それぞれ下落した。3メガバンクの株価は短期間にほぼ半値となった。ゆうちょ銀行株も例外ではない。16年2月に1105円まで下げ、売り出し価格1450円をあっさり下回って、新規上場人気はわずか3カ月余で色あせた。

 株価の下落に伴って各行のPBR(株価純資産倍率)は0.5倍前後(3月7日現在、以下同)に低下した。PBRは理論的な解散価値との比較を示す指標。PBRの1倍割れは株価が解散価値以下であることを示す。逆に各行の予想配当利回りは3、4%台に上昇した。大口定期預金の主流金利である0.01%と比べるまでもない高水準である。本来なら、「株価は下げ過ぎ」「割安」などの声が高まり、自律反発への期待も加わって見直し買いが入ってもおかしくない株価水準である。しかし、物色機運は盛り上がらず株価の戻りは鈍い。

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