ウォン売り圧力が悩みになってきた韓国。過度なウォン安ドル高の是正が課題だ【拡大】
「中国=韓国」という新たな公式?
ウォン安の衝撃は、貿易分野だけでない。韓国の家計にも影を落とす。
日本でも、円安は輸入物価に上昇という副作用をもたらすとの指摘があるが、韓国の問題はこれにとどまらない。
第一生命経済研究所の
西浜徹主席エコノミストは「過度なウォン安は元利払いに伴う債務負担の増加を招く」と指摘する。
韓国の家計部門の債務残高は、国内総生産の7割に相当する1100兆ウォン(101兆円)を超え、不況を引き起こす「時限爆弾」に例えられる。
借金には、円やドルといった外貨建ての住宅ローン商品もあり、ウォン安が進むと利払いがかさんで、家計を圧迫する恐れがある。輸出による外需が勢いを欠く中、内需も冷え込む事態となれば、韓国経済の深刻度は増す。
国際情勢に翻弄される韓国の先行き不信は、すでに外国人投資家の動きにあらわれる。海外資金が韓国からじわりと流出していたのだ。韓国の外貨準備は、昨年6月末をピークに75億ドル(8538億円)減ったという。