この5年間、津波災害対策のための用地の取得や土地のかさ上げ工事などに多くの時間を費やした。復興事業はこれから本格化する。災害公営住宅などのまちづくり事業、港湾・道路などの基盤整備事業は今後、数年間がピーク。少なくとも、そこまでは支援が必要としている。
16年度も被災地からは1549人の要請があるが(15年12月3日現在)、現時点で確保できるかどうかはわからないという。6年目以降は正念場。総務相名の依頼文書はその危機感の表れでもある。総務省は「昨年夏ごろから『(確保は)大丈夫か』という声が出ていた。ある意味、先手を打ったかたちだ」(公務員課)。
一方で、足かせにもなりかねないさまざまな要因も浮上している。
全国の自治体は今、行政改革で職員の削減を進めているが、業務量自体は増している。地方創生など取り組むべき課題も多岐にわたる。全職員数が少ないとはいえ、福井の派遣は和歌山と並んで最少の4人(15年10月1日現在)。「北陸新幹線の開業や国体の準備などもあってギリギリの人数だ」(人事課)。他の自治体でも同様のケースは年々増えているという。
東京五輪の準備と本格的な復興の期間が重なったこともある。建築、土木関係の業者などは被災地への派遣より五輪関連事業を優先するケースも。競技会場を抱える自治体は職員の配置について五輪も考慮せざるを得ない。宮城県のある自治体の人事担当者はいう。「(被災地以外は)五輪に向いている感じ。優秀な人材が五輪関連の業務に回されているという話も聞く」
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