支援する側にも難しい状況がある。たとえば土木技師の募集。「港湾・海岸の工事の設計、積算、管理、監督ができる人」など要請内容が具体的すぎて幅が広く、専門能力が足りないなどの理由で選考段階で落とさざるを得ないこともある。被災地の情報が減ることで、「復興は進んでいるだろう」という意識の変化が出ているように思う。取材中に「節目のときだけのイベント事のような報道」と苦言を呈された。伝える側として肝に銘じなければならない。
阪神大震災や新潟県中越沖地震などの復興計画に携わった減災・復興支援機構の木村拓郎理事長は「国が業務の進め方を見直し、手順を簡素化しないと。通常の進め方ではいくら人手があっても難しい。既存の制度に振り回されている。要は『選択と集中』。優先度が高いものを先に行うなど、整理することが重要」と指摘する。
神戸市の外郭団体で、阪神大震災からの経験・教訓を生かして研究を続ける「神戸都市問題研究所」は東日本の復興に向けた人的資源の確保に関し、(1)全国的な技術職員の確保の制度化(2)復興事業終了後に職員数を適正規模に戻す仕組みを考慮しながら、対応できる職員を国全体で増加させる制度を設計する-などを提言する。
安倍首相は10日の会見で「今後5年間を『復興・創生期間』と位置づけ、十分な財源を確保し、被災地の自立につながる支援を行う」と語った。国の積極的な指導、現実的で効率的な対応が求められている。