【ビジネスアイコラム】中国ビジネス 宗教、文化にも陥穽 (1/2ページ)

2016.3.30 05:00

 ■チベットにファストフード上陸

 「肯徳基」とは、大手ファストフードチェーン「ケンタッキーフライドチキン」(以下、KFC)の中国名だ。去る3月8日、チベットの最大都市ラサに新規出店した。KFCの中国展開は30年近くに及ぶが、チベット上陸はこれが初だ。

 KFCを展開するヤム・ブランズ(本社・米国)の資料によれば、中国での店舗数はKFCが4889店、系列の「ピザハット」が1664店に及ぶ。

 北京や上海ではどこにでもあるKFCだが、ラサへの出店は別格だった。新華社通信など中国の官製メディアをはじめ、英BBC放送など内外の報道機関が報じるイベントとなった。

 なぜか? その前にチベットのファストフード事情を説明しなくてはならない。

 外国人観光客も多いラサ市内で、「快餐」(ファストフード)といえば、「ディコス(徳克士)」の独占状態だ。終夜営業の店舗を含め市内に8店ある。聞き慣れないのは道理で四川省成都に本社を置く中国企業だが、ハンバーガーもフライドチキンも一応そろっている。

 チベットで中国企業のハンバーガーがこれほど売れるなら、外資が手をこまねいていたのは不自然だ。もともと、外食チェーン業界では「外資優位」が中国市場の常識ではないか。

 しかも、KFCのチベット上陸を目の当たりにして、同じく外資大手のマクドナルドは「現在のところ、チベットでの出店予定はありません」(中国広報担当)と、なおも慎重な姿勢を崩さないのだ。

 疑問を解く鍵は、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世にあるらしい。

 報道によれば、KFCは2004年にもチベット進出を計画したものの、在米の動物愛護団体から異論が示され、ダライ・ラマが団体を後押しした。メッセージはこんな内容だ。

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