【視点】移民受け入れ 政策として成り立つのか (1/3ページ)

2016.4.19 05:00

 □産経新聞論説委員・河合雅司

 2015年の国勢調査(速報値)においても人口減少が確認された。5年前の調査に比べ94万7000人の減だ。

 人口が減れば労働力も少なくなる。雇用環境の改善で幅広い業種で人手不足が顕在化しているが、中長期的には少子高齢化に伴う不足が深刻化しよう。

 解決策として、外国人による穴埋めを求める声が少なくない。だが、外国人問題を考える際には「移民」と「外国人労働者」とを明確に区別しなければならない。移民とは日本国籍を付与し永住を前提とする人たちであり、外国人労働者は企業が一時的に戦力として雇い入れる人々だ。ここを混同したのでは議論はかみ合わない。

 安倍晋三首相は「いわゆる移民政策については全く考えていない」との立場だが、自民党内には移民推進派も少なくない。同党が3月に立ち上げた特命委員会は「移民の寸前」まで受け入れの拡大を検討するという。政府の経済財政諮問会議では、民間議員から永住権を取得しやすくするよう求める意見が出されている。

 とはいえ、外国人の大量受け入れは簡単ではない。それは、欧州における難民政策の混乱ぶりを見れば明らかだ。反対派からは治安の悪化や社会の混乱、日本文化が変質することへの懸念も聞かれる。そこで本稿は、人口減少対策としての移民が政策として成り立つのかどうかを考えたい。

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