地震で被害を受けた熊本城【拡大】
東日本大震災では、福島県白河市の小峰城跡(国指定史跡)が石垣に大きな被害を受けた。今も修復は7割程度にとどまり、2018年度の完成まで約50億円の費用が見込まれる。
今回の地震で熊本市は白河市にアドバイスを求めた。「崩落した石があった場所を照合するため、できるだけ動かさず、現場を保存するように」。文化財の復元は、一つ一つの石を元の場所へ戻すのが原則。白河市は担当者が震災前の写真を見ながら位置を確認した。
熊本城の修復費用は100億円を超えるとの見方が強い。災害復旧の場合、特別史跡の石垣や、重要文化財の建造物は国の補助率がかさ上げされるが、問題は残りの財源。小峰城跡は震災の特別交付税で賄った。
熊本市の会社員水本俊一さん(71)は「鉄壁の城がこれほど崩れるとは想像もできなかった。どれだけ時間がかかっても修理して、子供たちにきれいな城を見せてあげたい」と語った。
日本財団は再建費用として30億円の提供を決めており、これを呼び水に支援の拡大も期待している。