最低賃金の引き上げに署名したブラウン・カリフォルニア州知事(中央手前)=4月4日、ロサンゼルス(AP)【拡大】
最低賃金で働いている労働者の多くが、この「非白人の若者」で、黒人やラテン系が大半を占める。こうした若者らは仕事や作法などを教えてもらうことによって、熟練度を上げていくが、最低賃金を引き上げるならば、最初から熟練度の高い経験者や、より高い教育を受けた若者を採用する事業主が増えると予想されるという。
16歳から19歳の黒人の失業率は25%。白人の13.9%やラテン系の15.6%と比べて圧倒的に高いが、予想通りになれば、黒人とラテン系の若者の失業率は増える。
◆「地下化」進む?
同じ仕事をしても、カリフォルニアなど時給15ドルの州と、それより低い州では、収入に差が生じることになり、全国チェーンのファストフード店などは労使交渉の火種を抱えることにもなりそうだ。
不法就労者に最低賃金以下の時給で働かせ、給料も現金で支払い、保険や税金を逃れる違法事業者は後を絶たないが、最低賃金が上がることで、そうした事業者が増え、さらに“地下化”が進むとの指摘もある。
ブラウン氏は「格差是正への手段」として最低賃金の引き上げを肯定したが、「格差が広がる」といった分析やマイナスの予測も意外に多い。
そうした中、最低賃金が時給8.05ドルのフロリダ州のスコット知事はロサンゼルスとサンフランシスコの両エリアで、カリフォルニア州の事業者を呼び込もうと、こんなラジオ広告を流した。「カリフォルニアを去る準備はできた? 代わりに、(州の)所得税がかからないフロリダに行きな」
効果のほどは分からないが、「最低賃金時給15ドル」が全米で注目されていることを示す一つのエピソードだ。(ロサンゼルス 中村将)