４月の景気動向調査は２カ月ぶり悪化　熊本地震の影響大、帝国データ調べ

　帝国データバンクが９日発表した４月の景気動向調査によると、同月の景気判断指数（ＤＩ）は前月比０・４ポイント減の４２・４となり、２カ月ぶりに悪化した。原材料費や人件費の上昇で企業のコスト負担が高まっていたところに、熊本地震が製造や観光関連の産業に追い打ちをかけた。

　業界別では、建設と製造、運輸・倉庫、サービスなど７業界が悪化。このうち旅館・ホテルは熊本地震を受けて、九州を中心に宿泊予約のキャンセルが相次いだことが響き、５・６ポイント減の５０・５と、東日本大震災以来の悪化幅となった。

　地域別では、北海道と東北を除く８地域で悪化した。熊本地震が襲った九州は、九州自動車道が一部不通となり、域内の物流機能が大きく低下したことで、２カ月ぶりに悪化した。燃費データ不正問題に揺れる三菱自動車の軽自動車製造工場が岡山県にある関係で、中国も２カ月ぶりに悪化した。

　今後の国内景気の見通しについて、帝国データは「足踏み状態で推移する」と予想。景気を左右する材料として、消費税再増税の行方や熊本地震からの復旧・復興、為替相場の動向などを挙げている。