【ワシントン=小雲規生】米国際貿易委員会(ITC)は18日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が米国の実質国内総生産(GDP)を2032年までに427億ドル(約4兆7千億円)、率にして0・15%押し上げるとする報告書をオバマ大統領と議会に提出した。日本へのコメ輸出は23%増加すると見込む。
報告書はTPPによって、米国の輸出は1・0%、輸入は1・1%押し上げられるとも分析した。また乳製品や食肉、加工食品などで生産量が増えると強調。製造業では、自動車や衣料品で生産量が押し上げられる一方、医薬品を含む化学や繊維などの分野では生産量が減るとみている。
米通商代表部(USTR)のフロマン代表は18日、報告書について「TPPが米国経済に恩恵をもたらし、アジア太平洋地域の貿易ルールを米国が設定することを可能にするものだ」とする声明を発表した。
報告書の作成は米議会でのTPP実施法案審議開始の条件の一つで、TPP批准にあたる実施法案可決に向けて前進したかたちだ。しかし議会で多数派を占める共和党指導部は11月の大統領選前の実施法案審議に否定的で、今後も曲折が予想される。