■破綻したアベノミクスから転換のとき
アベノミクスは4年目に突入した。「経済の好循環」と唱え続けてきたが、トリクルダウン政策、消費税増税、異次元の金融緩和、どれも破綻が明らかになってきている。「アベノミクスの暖かな風」は多くの国民にとどかないまま、「アベノミクス不況」に陥りつつあるのではないだろうか。
「世界一企業が活躍しやすい国」のスローガンのもと、法人税率の引き下げなどが行われた。黒字の大企業を中心に4兆円の減税が行われたが、政権が求めた賃上げや投資にはわずかしか回らず、巨額の内部留保がさらに積み増される結果となった。物価高に、賃金の上昇は追いつかず、「実質賃金」は4年連続のマイナスとなった。
2014年の消費税増税は、個人消費落ち込みの引き金をひいた。原稿執筆時に最新データだった15年10~12月期の国内総生産(GDP)はマイナスとなった。なかでも個人消費は、消費税率を8%に引き上げた増税直後よりも落ち込んだ。直近の3月の家計調査で消費支出は前年同月比5.3%ものマイナスとなった。個人消費が冷え込む中、大企業の景況感も大幅に悪化してきている。
日銀は「マイナス金利」という奇策に打って出たが、需要がないもとで銀行の貸し出しは増えず、日銀が期待した効果よりも、マイナス効果が顕著だ。4月の金融政策決定会合で追加緩和は見送られたが、金融政策の手詰まりは誰の目にも明らかになっている。