経団連の定時総会に出席し、あいさつする安倍晋三首相。後方は榊原定征会長=2日、東京都千代田区(伴龍二撮影)【拡大】
経団連は2日、定時総会を開催し、岡本毅東京ガス会長、石塚邦雄三越伊勢丹ホールディングス会長ら新たに4人の副会長を選任した。2期4年の3年目に入った榊原定征会長はあいさつで、デフレ脱却と、経済再生の実現、国内総生産(GDP)600兆円経済に道筋をつけることを優先的課題に掲げた。安倍晋三首相の消費税率引き上げ再延期表明には「経団連として決定を尊重する」と支持を明確にした。
来賓の安倍首相は「この秋に総合的かつ、大胆な経済政策を講じる。構造改革を断行し、将来の成長を生み出す民間投資を喚起していく」とし、民間主導の経済成長への期待を示した。
今回の総会で決定した副会長と、会長の諮問機関である審議員会の副議長人事は、個人消費の拡大、女性活用、地方経済活性化という経団連の方向性を具体化したものとなった。
石塚氏は初めての百貨店業界からの選出で、現副会長としては唯一の流通業界出身だ。審議員会の副議長に選ばれた浅野邦子氏は、金沢市で金箔(きんぱく)「金沢箔」を製造する箔一の会長。昨年副議長に就任した吉田晴乃BTジャパン社長に続いて、2人目の女性経団連役員となる上、異例の地方の中小企業経営者でもある。