「米国は(同分野で)ロシアや中国より進んでいるだろう。ただ、最も先を行くのはイスラエルだ」。かつて米国防長官室で自律システムの構築に携わった新アメリカ安全保障センター(CNAS)の研究員、ポール・シャーレ氏はこう指摘する。
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AIを搭載した戦闘ロボットは、敵と味方を完全に識別できるのか。
国防高等研究計画局(DARPA)の下で、米軍のロボット開発にあたるAIロボット研究開発の第一人者、ジョージア工科大学のロナルド・アーキン教授の実験室にはさまざまな形状のロボットが並ぶ。
研究は複数のロボットが相互に連携し、仮想敵兵を発見、追跡するシステムの開発など多岐にわたる。なかでも自律型の無人攻撃機やロボットが戦場で「倫理的統制」「人工的判断」ができるシステムの開発に貢献しているという。
例えば、戦車を探知したら「攻撃」。周囲に教会やモスクがあったり、民間人がいれば「撃ってはならない」。こうした「義務」と「禁止」の判断と動作を、交戦規則や国際人道法などに則してできるようにするわけだ。
アーキン氏は「人間は戦場の重圧の中で失敗を犯すが、戦闘ロボットは人間より状況の把握と分析、行動にすぐれ、非戦闘員や兵士の生命を救うことができる」と指摘する。敵味方の識別も「10~20年を要するだろうが、できるようになる」と断言した。