企業ため込む「内部留保」過去最高 従業員賃金に利益回らぬ現状

2016.6.9 06:57

 企業がため込んでいる利益を示す「内部留保」が過去最高に達している。先行きが見えない海外経済などのリスクに備えているためで、その分、従業員の賃金に利益が回らないのが現状だ。1~3月期の国内総生産(GDP)改定値は小幅に上方修正されたが、GDPの6割を占める個人消費の底上げには賃上げが欠かせず、景気回復の足取りは重いままだ。

 財務省が発表した1~3月期の法人企業統計(金融・保険業を除く)によると、内部留保に当たる「利益剰余金」は3月末時点で前年同期比6%増の366兆6860億円に上った。

 内部留保は安倍晋三政権下で急増した。金融緩和と企業減税などで業績が改善した一方、新興国経済の減速に伴う世界経済の下振れといったリスクへの懸念で設備投資の動きは鈍く、賃上げの伸びも抑えられている。法人企業統計では、1~3月期の従業員給与は前年同期比でほぼ横ばいの約28兆円にとどまった。

 安倍政権は企業のもうけを賃金アップにつなげ、個人消費を上向かせようとした。しかし実際は、大企業など一部で賃上げの動きはあるものの、中小・零細企業には広がっておらず、消費は力強さを欠いている。

 足下では外国為替相場の円高の動きから、輸出企業の収益力低下が見込まれており、景気の腰折れ不安が広がれば企業は一段と防御態勢を強める可能性もある。アベノミクスの成功には、企業に賃上げや投資を促す政策が求められる。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。