■TPPは地方経済活性化に逆行
安倍晋三政権は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を、アベノミクスの第3の柱である成長戦略の「切り札」と位置付けた。しかし、政府はTPPの本質について説明責任を果たしていない。国会に提出された「黒塗り文書」に象徴される徹底した秘密交渉と、過大な経済効果を見込んだ政府試算が、さらに国民的不信感を強めることとなった。
日本経済全体の成長と発展には地方経済の活性化を図ることが不可欠であり、そのためには企業の99%を占め、地域に根をおろし、モノづくりやサービスでの需要に応え、雇用を生み出している中小企業への支援を強めるべきだ。
町工場への固定費補助などの直接支援や、下請代金法を改正して親企業側の責任を強化するなど適正な経営環境をつくるとともに、中小企業労働者の賃金引き上げへ、社会保険料の企業負担分を軽減し、それを原資とした欧米諸国の取り組みなどからも学ぶ必要がある。
中小企業での賃上げは地域需要を広げることにもなる。その一方、TPPの本質は、多国籍企業が国の内外で事業展開をしやすくするための規制緩和・撤廃、また関税の削減・撤廃である。それは資本の海外移転も引き起こし、日本国内では医療をはじめ国民生活にかかわるサービスなども自由化の対象となり得る。
農業への打撃は論をまたない。政府が言う農産物輸出促進策も、その内実を見れば純然たる国産農産物はわずかで、外国産を用いた加工食品が多数を占める。地方経済の活性化とはいえない。日本共産党は、地域資源を生かした持続的・循環型の地方経済への発展を目指す。地域が主体となった農商工連携、異業種交流の支援強化、商店リフォーム計画と助成など、地方自治体や関係団体も加わる独自のセンターを地域につくり支援を強める。