■雇用・賃金、子育て・教育の質向上を
安倍政権は一億総活躍プランで、昨年度500兆円だった名目国内総生産(GDP)を2021年度に600兆円にまで引き上げるという。また、政府の経済再生シナリオは依然、名目3%、実質2%の経済成長を前提にしている。GDPでいえば、問題なのはその量ではなく、企業所得が増えても家計所得が増えない構造そのもの、すなわちGDPの質こそ問われるべきだ。また、この20年間、名目経済成長率は年平均0.1%にも届いていない中、名目3%成長など、あまりに根拠のない数字だ。
それだけではない。人口減少社会に突入し、少子高齢化が進む現状において、旧態依然の経済成長モデルに固執していること自体が誤りだ。いま必要なことは、「働きたい人が安心して働ける社会」「学びたい人は誰でも学ぶことができる社会」の実現をめざし、その結果として経済が少しでも成長できるようにすることではないか。その意味で、社民党としては「雇用」「賃金」「子育て・教育」の質の充実を3本の矢としたい。
雇用では、雇用契約の原則を期間の定めのない直接雇用=正社員とし、短時間雇用を希望する人には、同一価値労働・同一賃金を保障すること。
また、過労死ラインの月80時間超残業をしている社員が存在する企業が、全体の22.7%に上る社会の姿は異様だ。1人当たり年間173時間(14年度、経済協力開発機構=OECD=統計)という残業時間に上限を設け、仮に1850時間程度に年間労働時間を収めれば、正社員を300万人増やすことができる。しかし、安倍政権が進める派遣労働の利用制限の撤廃、解雇の金銭解決、労働時間規制の緩和は、明らかに、これに逆行している。