首都ダッカの路上で遊ぶ子供たち。バングラデシュは人材育成の必要性が高まる一方、教育予算の拡充が進んでいない(AP)【拡大】
バングラデシュは、教育予算が伸び悩む中、専門家などが拡充を主張している。同国の独立系シンクタンク政策対話センターなどによると、2015年度(15年7月~16年6月)の国家予算における教育分野の比率は11.6%で、6年度の15.9%から縮小した。国内総生産(GDP)比でも過去14年にわたって2%前後で推移しているという。現地英字紙デイリー・スターなどが報じた。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は国の教育予算について、予算比で20%以上、GDP比で6%以上が望ましいと提言している。バングラデシュ政府は、この数値を国際会議などで目標に掲げているが、実際には拡大が進まず、専門家からは人材育成の観点からも教育予算の拡充が必要との指摘が上がる。
しかも、現状のバングラデシュ政府の教育予算の大半は、教員の人件費など非開発分野に充てられており、教育の質を高めるための開発分野への配分は少ないという。15年度予算をみると、教育予算は1710億タカ(約2318億円)だが、1270億タカが非開発分野で、開発分野は400億タカとなっている。
また、同国は初等教育の6万6000校を国立が占めるのに対し、中等教育の国立校は340校にとどまる。政府によると、中等教育の国立校は1万9000の私立校よりも待遇やカリキュラムで優れているが、国立校をさらに増やすための予算が不足している。初等教育の国立校も施設の老朽化などが進んでいる中、改善が追いつかない状況だ。
専門家は「教育予算の拡充は未来への投資だ」と述べ、教室、図書室、実験室の新設や教員の訓練、カリキュラムの改善など開発分野の予算を増やすべきだと主張。予算比20%以上という目標に早期に到達しない限り、国の成長もいずれ人材不足により停滞するとの見解を示した。(ニューデリー支局)