韓国のノーベル賞は今年もムリ? 英誌皮肉「野望はカネで実現するものではない」 (2/3ページ)

2016.7.2 17:11

梶田隆章・東京大宇宙線研究所所長がノーベル物理学賞を受賞したことを伝える号外を受け取る人たち=平成27年10月6日夜、JR大阪駅前(門井聡撮影)
梶田隆章・東京大宇宙線研究所所長がノーベル物理学賞を受賞したことを伝える号外を受け取る人たち=平成27年10月6日夜、JR大阪駅前(門井聡撮影)【拡大】

 だが成果は出ておらず、同誌は「韓国の研究者が14年に国際学術誌に発表した論文の数は、R&D投資の対GDP比が1・22%のスペインとほぼ同じ」と指摘。英国やドイツ、日本の半分にとどまり、中国の7分の1にすぎない。予算を増やしても基礎科学分野の競争力向上にあまりつながらなかったというのである。

 韓国政府は場当たり的に予算づけ?

 こうした状況を憂慮したのか、韓国経済新聞によれば、5月に朴槿恵(パク・クネ)大統領の主宰で開いた「第1次科学技術戦略会議」で、大学の基礎科学予算を18年までに1兆5千億ウォン(約1330億円)に増やすという案が示されたという。それでも、お金をつぎ込めさえすればいいという考え方が透けて見える。

 朝鮮日報は、同誌が韓国政府の意思決定のスタイルを問題視していることも紹介する。同誌は、米グーグル傘下の企業が開発した人工知能(AI)「アルファ碁」と韓国人囲碁棋士の李世ドル(イ・セドル)九段の対局が李九段の1勝4敗という結果に終わるや、韓国政府がAI分野に向こう5年間で1兆ウォンを投じる計画を発表したことを挙げ、「一つのケースだけで『AIこそが未来』と決めてしまった場当たり的な対応」だと批難した。

 朴政権は今回、基礎科学予算を増やす方針を示したが、それは各方面から批判を受けたからにほかならない。同誌も韓国がノーベル賞受賞者を輩出できない理由について、基礎研究に対する長期的投資にケチなためだと分析している。「基礎科学分野で独歩的な成果を出すには数十年間長期的に多くの投資をするべきなのに、韓国は遠くを見通した投資文化が成熟していない」と強調するように、やはり『AIこそが未来』だけではノーベル賞は取れないのである。

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