【日曜経済講座】
英国の欧州連合(EU)からの離脱が国民投票で確実になったのを受けて円高が加速しているが、主因は日米の実質金利差の縮小にある。
グラフは2013年1月以降の日米金利差と円の対ドル相場の推移である。金利は償還期間10年国債の利回りで、実質金利とはその利回りから消費者物価上昇率を差し引いた。金利差は米国から日本を差し引き、名目と実質の2通りを挙げている。10年国債は、主要国の標準的な金融資産であり、その国の通貨価値を反映する。
一目瞭然、円の対ドル相場は日米の実質金利差が拡大する局面では下落し、縮小傾向に転じると円高になる。昨年4月以降、実質金利差は下がり始め、それより6カ月前後遅れて円高傾向に転じた。
実質金利差に比べて、名目金利差のほうは13年9月以降、ほぼ安定した水準で推移している。