◆日本型AIの発見
ITといえば米ITベンチャーの後追いと受け止める人が多いかもしれない。グーグル、アップル、マイクロソフト、IBM、アマゾン・コム、フェイスブックなどの巨大IT関連ベンチャーをイメージするかもしれない。
しかし、今、日本で深く進行しつつあるのは、むしろ産業全体、社会全体のIT活用の流れだ。健康、医療や介護の現場で、教育や農業、物流、サービス業等の現場で、新しい日本型の人工知能(AI)活用も進みつつある。
例えば、高いコストをかけた大量のデータ処理ではなく、人間の直観、暗黙知、感性を最大限活用した低コストの日本型AI技術がいろいろな分野で台頭しつつある。国際訴訟分野の不正データ解析システムで日本型AI技術を活用して米国で成功したA社は、日本でマーケティングやヘルスケア分野でそのAI技術を展開しつつある。日本の第4次産業革命は、製造業大企業だけでなく、中小企業、サービス産業などに幅広く展開されつつある。
グローバル化の時代、留学生や知日人材を拡大して世界の仲間と協働して世界に貢献していくことはぜひとも必要だが、少子化による労働力不足対策を外国からの移民拡大だけに頼るのは間違いだ。AI、モノのインターネット(IoT)、ロボットなどのIT技術が産業や国民生活のあらゆる分野に展開されることによって、近い将来労働力不足は一挙に解消されうる。
産業の第一線で働く人は、IT技術が代替する「3K」の単純労働から解放され、高度な知恵や感性を発揮して価値を想像する、本来の人間性をフルに発揮できる、より高度な職場に恵まれることになる。