
記者会見で質問者を指名する自民党総裁の安倍首相=11日、東京・永田町の党本部【拡大】
安倍晋三首相(自民党総裁)は11日、連立与党で(改選)過半数を大きく上回った参院選の結果を受けて党本部で記者会見し、「アベノミクスを一層加速せよとの力強い信任をいただいた」と主張。「未来への投資」をキーワードにした大型の経済対策の準備を12日に石原伸晃経済再生担当相へ指示する考えを明らかにした。
与党内から「20兆円」
安倍首相は会見で、英国の欧州連合(EU)離脱問題や、陰りが見える新興国経済に触れ「内需を下支えする総合的かつ大胆な経済対策を実施する」と強調。国内景気を下支えし、デフレ脱却につなげる考えを示した。経済対策の規模については「これから考える」としたが、政府は当初見込んでいた5兆~10兆円を上回る規模も視野に入れる。財源は財政投融資などを活用する考えだが、不足する恐れがあり、国債発行も検討する。
経済対策の中身について、首相は「成長につながる分野に大胆に投資する」と強調。訪日外国人の増加に向け、クルーズ船が発着できる港湾を整備するほか、観光施設の改修や地方の農林水産物の海外輸出に向けた環境整備にも取り組む方針を示した。対策の裏付けとなる2016年度第2次補正予算案を秋の臨時国会に提出する見通しだ。