日銀のマイナス金利政策も財投活用を後押しする。超低金利の環境を受け、政府は財投の貸出下限金利を現行の0.1%から下げることを検討している。
活用の対象として浮上しているのは、安倍晋三首相が最大8年程度の前倒しを表明したリニア中央新幹線の全線開業事業のほか、英国の欧州連合(EU)離脱決定で、資金繰りの悪化が懸念される中小企業の金融支援だ。奨学金の返済に行き詰まる人が増えており、低利奨学金の拡充なども視野に入れる。
ただ財投をむやみに拡大すれば、採算を度外視した事業に資金が投入されたり、民間銀行の融資機会を奪ったりしかねない。将来的に日銀がマイナス金利政策を見直す可能性もある。貸し出しが長期間にわたる財投は、財投債を借り換える際に金利が上昇していた場合、調達コストが貸出金利を上回る「逆ざや」が生じ、損失が出る恐れもある。(中村智隆)