
スコットランド東部の港湾都市、アバディーン=1日(黒川信雄撮影)【拡大】
市中心部にある海洋博物館では、1970年代に始まった北海油田の開発とともに街が栄えていった事実が誇らしげに紹介されていた。しかし女性職員の一人は「市民の誰もが、知り合いに失業者がいる」と街の現状を寂しげに語った。
スコットランドのスタージョン行政府首相が率いるスコットランド民族党(SNP)は2014年の住民投票の際、巨額の石油収入が見込めるとの推計のもと、独立支持を訴えた。しかし住民投票を前後に原油価格は急落し、英国の石油関連収入は激減。保守党、労働党は共に、SNPの当時の主張を「虚構だった」などと強く批判している。
原油価格の動向は予測困難で、SNPの推計のように、今後上昇する可能性はある。ただ、相場が不安定な資源に財政を頼る政策の危険性が一気に浮き彫りになり、スコットランドの独立問題にも影響しそうだ。
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【用語解説】北海油田
北海の英、ノルウェーなどの領海周辺に広がる海底油田。1970年代に生産が開始され、これまでに約450億バレルが採掘された。老朽化による生産量の減退や、開発コストの上昇が懸念されている。