きょうから日銀決定会合、どうする追加緩和 残りカード少なく、小手先実施では逆効果に (1/2ページ)

 日銀が28、29日の金融政策決定会合で追加の金融緩和に踏み切るとの観測が市場で高まり、日銀内にも財政出動に呼応した追加緩和論が浮上してきた。ただ、現行の金融政策を据え置くと考える“慎重派”の市場参加者も根強く残る。消費税増税の再延期や経済対策で、「2017年度中」としている2%物価目標の達成時期を維持できるとの楽観論があるためだ。

 民間の8割超が予想

 日銀は今回の会合で、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる。前回4月のリポートでは16、17年度の物価上昇率の見通しを0.5%、1.7%としているが、下方修正は避けられないとみられる。

 このため、民間エコノミストを対象にした日本経済研究センターのESPフォーキャスト調査(11日公表)では、42人中36人(85.7%)が7月の追加緩和を予想。英国の欧州連合(EU)離脱騒動で先行き不透明感が漂う中、同センターは「これほど回答がそろったことはかつてなかった」と解説した。

 麻生太郎財務相は26日の記者会見で「物価安定目標の実現に向けて(日銀は)最大限の努力を続けることを期待している」と発言。日銀内でも、経済対策と追加緩和の「ポリシー・ミックス」(政策組み合わせ)は景気や物価に好影響を与えるとの声がささやかれる。

 追加緩和の場合、現在0.1%のマイナス金利の深掘り▽年80兆円の国債購入量の増額▽上場投資信託(ETF)の買い増し-という3つの選択肢を組み合わせた案が想定されるが、「大規模な追加緩和はあと1回ぐらい」(日銀幹部)。残り少ない緩和カードを切ってしまうと、市場で金融政策の「出尽くし感」が意識されてしまう恐れもある。

 また「日銀は既に十分緩和している。増税の再延期や28兆円規模の経済対策があれば、追加緩和がなくても物価は上向く」(日銀幹部)との異論もある。実際、17年度の物価見通しは小幅の下方修正にとどまるもようだ。