【フィラデルフィア=小雲規生】米商務省が29日発表した2016年4~6月期の実質国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は年率換算で前期比1.2%増となり、市場予想の2.6%増を大きく下回った。1~3月期の成長率も0.3ポイント下方修正され、0.8%となった。成長率は3四半期連続で1%前後の低水準となっており、米経済の先行き不透明感が強まっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)は27日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に発表した声明で「経済の見通しに対する短期的なリスクは低下した」として、9月以降の追加利上げに含みを残した。しかし足元の経済活動の弱さで早期利上げが困難になったとの見方が広がりそうだ。
4~6月期は個人投資は好調だったが、民間設備投資や住宅投資などが大きく落ち込んだ。年明けに起きた金融市場の混乱を受けたドル高傾向や、原油安が輸出企業やエネルギー企業の投資意欲を落としたとみられている。また6月下旬に国民投票があった英国の欧州連合(EU)離脱問題に向けた不安の広がりが企業活動に影響した可能性もある。
米国経済の予想外の弱さが示されたことで外国為替市場ではドルを売って円を買う動きが加速。1ドル=103円台半ばだったドル円相場は速報値発表後、102円台後半まで円高ドル安が進んだ。一方、29日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、前日比30.88ドル安の1万8425.47ドルで取引が始まった。