中国が華々しく打ち上げた現代版シルクロード構想「一帯一路」が早くも正念場に立たされている。「一帯一路」の沿線国の中には、政治的に不安定なところが少なくない。また各国の財政難からプロジェクトの資金分担をどうするかをめぐって、交渉が暗礁に乗り上げる例も出てきている。さらに中国が輸出するインフラ関連設備の品質問題も起きている。
「一帯一路」の具体的なプロジェクトが動き出すにつれて、貿易や投資面で効果が出始めてきたのは確かである。今年上期の中国の輸出入総額は、昨年同期比で3.3%のマイナスとなった。ところが、「一帯一路」沿いのパキスタン、ロシア、バングラデシュといった国々との貿易は増えている。また習近平国家主席は訪問先のウズベキスタンで、「一帯一路」参加国への中国企業の投資が昨年は前年比20%増の約150億ドル(約1兆5388億円)に達したと明らかにした。
ところがプロジェクトが進むにつれて、予想外の問題が噴出し始めている。「一帯一路」の中核ともいうべきプロジェクトは中国の昆明からラオス、タイを経てシンガポールに至る約3000キロの高速鉄道計画だが、進捗(しんちょく)状況は思わしくない。