表彰式で握手する400メートル自由形で金メダルのホートン(オーストラリア、右)と銀の孫楊(中国、左)=6日、リオデジャネイロ(ロイター)【拡大】
国内外で騒動を引き起こしてばかりの孫楊を毛嫌いしていた中国国民も、米国の同盟国オーストラリアの選手が相手とあって態度を一変。中国のネット上には、「(ホートンは)試合で勝って、人品で負けた」「オーストラリアは米国の犬だ」「ホートンは自分が使った新薬に(陽性反応が出ない)自信があるのだろう」といった批判が殺到している。
中国国営新華社通信によると、中国国内でこの問題への関心が高まる中、中国水泳協会は7日、オーストリア水泳協会に謝罪を求める抗議文を正式に送った。
同通信によると、中国側は抗議文の中で、ホートンの発言を「悪意に満ちた下劣な言動」と批判。「ホートンの不当な言論は中国及びオーストラリア水泳界の感情を害し、オーストラリア選手のイメージを損ねており、素養と教養を欠く表現だと認識している」と主張している。
その上で中国側は、「われわれはホートンが謝罪するよう強く要求する!」とオーストラリア側に迫っている。国内向けに、一度振り上げた拳をなかなか下げられないのが中国側の常。オーストラリア側の今後の対応によっては、事態がさらに紛糾し、両国政府間の問題に発展する可能性も否定できない。(五輪速報班)