
日銀の黒田東彦総裁=8日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)【拡大】
日銀は9月の金融政策決定会合でまとめる「総括的な検証」に合わせ、国債買い入れの柔軟化を模索する。「緩和の縮小」(テーパリング)とみなされる購入量の大幅減少は避けるが、現在年80兆円の買い入れ額を「70兆~90兆円」などと幅を設ける案などが浮上しているという。
日銀内では「テーパリングの議論は時期尚早」との声が多く、緩和縮小への拒否反応も根強い。黒田東彦総裁は2日、報道陣に対し、緩和縮小には「ならないと思う」と憶測を打ち消した。岩田規久男副総裁も4日の記者会見で、「量を減らすとか、金融を引き締める方向は考えられない」と明言した。
ただ、日銀は既に新規発行額(年30兆~40兆円)を大幅に上回る国債を買い入れている。今年は償還で消える分の買い替えを含めると120兆円に達する。「来年6月には現在の買い入れ規模を続けられなくなる」(日本経済研究センター)との試算もある。
一部で不安視されていた9日の30年債入札は無難な結果となったが、同日の債券市場では10年債利回りが乱高下した。「総括的な検証」への投資家の疑心暗鬼は残っている。