【北京=西見由章】尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺海域で中国漁船の乗組員が海上保安庁の巡視船に救助された衝突・沈没事故について、中国外務省の華春瑩報道官は11日声明を発表し、救助された6人が同日夜に中国側へ移送されたことを明らかにした。華氏は中国の公船が現場付近で行方不明者の捜索を継続しているとした上で、日本側の救助について「協力と人道主義の精神が示されたことに称賛を表明する」と言及した。
一方、華氏は国営新華社通信の記事を通じても声明を発表。ここでは海保の巡視船が救助にあたったことには触れずに「6人の中国人船員が救助され、中日両国の公船が行方不明の船員の捜索を全力で行っている」とした。華氏は「われわれは中日の関係部門が引き続き協力して事故に適切に対応することを希望する」と主張し、中国側も救助活動にあたっていることを強調した。