一方で、昨年半ばまでの円安・株高の立役者だった日銀の金融緩和策も、限界が意識されている。日銀は9月の金融政策決定会合で緩和策を総括的に検証するが、「市場の予想を大きく上回る対応はもはや困難で、円安材料としては期待できない。むしろ、失望の円高に注意が必要だ」と上野氏は語る。
今年の1ドル=100円突破局面では、英国民投票でEU離脱派が勝利した6月24日や、米雇用統計の発表直後に円相場が乱高下した7月8日のように、短期的な現象にとどまっていた。これに対し、足元では1ドル=100円を挟んだ攻防が激化。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「1ドル=100円を超す円高水準が定着する可能性が出てきた」としており、市場は警戒を強めている。(森田晶宏)