
上海のカフェで2日、スマートフォンを片手にポーズを取る徐弯弯さん(共同)【拡大】
7億人超のインターネット利用者がいる中国で、ネット動画の活用で多くのファンを獲得し、広告料などで生計を立てる「網紅」(ワンホン)と呼ばれるネットアイドルが勃興している。美貌や巧みな話術を武器に一般人から一気にスターにのし上がり、数億円を稼ぐ人も。背景には本音と欲望を包み隠さないワンホンへの共感がある。露出が多い過激な映像で人気を得る例もあり、当局は監視を強めている。
「見て、このスイーツ。おいしそうでしょ。今、日本人記者の取材を受けているところよ」。徐弯弯さん(ハンドルネーム)がスマートフォンを使って生中継専門サイトで中継を始めると、視聴者は約10分間で約1万4000人に。「かわいい」「どこにいるの」。ファンの書き込みが次々と画面に表示され、徐さんが軽妙に受け答えする。
徐さんは「ネットの生中継を始めたばかりの1週間だけでファンから現金換算で計約1万元(約15万2500円)相当のプレゼントをもらった」と語る。ファンはサイト運営会社からサイト内で通用するポイントを買い、これを使って画面に表示される架空のプレゼントをワンホンに送る。ワンホンは会社を通じプレゼントを換金できる仕組みだ。