米追加利上げの行方を占う2日発表の8月の米雇用統計は市場予想を下回る内容だったが、年内の追加利上げの可能性は排除できないとの見方は根強い。このため、市場関係者の間では週明けの東京市場について円安ドル高基調が続き、日経平均株価は1万7千円台を約3カ月ぶりに回復するとの声が上がる。5日には日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁の講演があり、当面は日米の金融政策をめぐる思惑で相場が動きそうだ。(森田晶宏)
8月の米雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門就業者数が前月比15万1千人増と、市場予想(18万人程度の増加)に届かなかった。ただ、直近3カ月の増加幅は月平均で約23万2千人で、改善の目安とされる20万人を上回った。
今月20~21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ観測は後退したが、年内には追加利上げが決まり日米金利差が広がるとの観測はむしろ拡大。2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時1ドル=104円32銭と約1カ月ぶりの円安ドル高水準をつけた。
三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「一時1ドル=104円台に乗せたことで円高方向に振れるリスクは遠のいた」と指摘。今週(5~9日)の円相場は円安ドル高方向の動きが続くとして1ドル=103~105円で推移するとみる。
日経平均株価の2日終値は1万6925円68銭だったが、週明けには1万7千円台を回復するとの声もある。実際に回復すれば取引時間中で6月1日以来、終値で5月31日以来となる。
野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは「円相場が1ドル=104円台なら(足元の)日本株は割安だ」と指摘。今週の平均株価は1万6800~1万7500円で推移するとし、「1万7千円台が定着する可能性が高い」との見方を示す。
黒田総裁に続き8日には日銀の中曽宏副総裁が講演予定で、20~21日の金融政策決定会合で行う「総括的な検証」について手掛かりを示すか注目される。