その中で日本は、RCEPを質の高い、つまり関税撤廃の度合いが高い自由貿易協定にするよう旗を振ってきた。一方で貿易自由化よりもアジアでの影響力拡大に重きを置く中国は慎重で、両者の綱引きが続いてきた。そのバランスを日本優位に傾けたのが、15年10月のTPP大筋合意だ。
ところが、ここにきてTPPの先行きが怪しくなってきた。米国大統領選で民主、共和両陣営ともTPP批准に反対の姿勢を鮮明にしているためだ。オバマ大統領は政権のレガシー(遺産)とするため任期中に何とか批准しようとしているが、そのハードルは高い。TPPの発効を前提に動いてきたアジア諸国は、一斉に様子見に転じている。こうなると、日本はやや孤立気味となる。
そこで有力な選択肢になってくるのは、韓国を巻き込むことだろう。朴槿恵政権の下で中国に大きく傾斜してきた韓国は現在、米国や日本との結びつきを再度強める方向に軌道修正中。TPPには政府、財界とも参加に前向きだ。