これまでは日中韓FTA交渉やRCEP交渉などにも韓国は消極的だった。日本にとってこれらの交渉は、中国市場へのアクセス拡大のために意味がある。だが、韓国は既に中国とFTAを結んでいるからだ。むしろ産業構造が似ており、技術力が高い日本と同じ自由貿易圏に入ることに韓国は脅威を感じてきた。
だが、中韓FTAの効果は韓国側の期待を大きく下回っている。日本と足並みをそろえて、RCEPの自由化度を上げ、中国に一段の市場開放を迫るメリットは大きい。TPPが漂流寸前の今日、中国とのルール形成競争の局面は再び変わりつつある。韓国をどう巻き込むかは日本にとって重要な課題になりそうだ。
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【プロフィル】西村豪太
にしむら・ごうた 「週刊東洋経済」編集長代理。1992年に東洋経済新報社入社。2004年から05年まで北京で中国社会科学院日本研究所客員研究員。昨年12月に『米中経済戦争 AIIB対TPP』(東洋経済新報社)を上梓。46歳。