海外からの対韓ポートフォリオ投資は同国GDPの4割を超える。北からの軍事攻勢が激しくなれば、外国の投資ファンドは一斉に逃げ出すだろう。そうなると、通貨ウォン、株式とも暴落し、1997、98年のアジア通貨危機の再来となる恐れがある。この脆弱(ぜいじゃく)さをよく知っている韓国の産業界は早くから通貨スワップの再開を日本側に求めていた。
日韓通貨スワップは2015年2月に期限が到来し、打ち切られた。スワップは金融危機時に双方の通貨を提供し合うのだが、対等のようでいて、日本側からの一方的な便宜供与となる。国際通貨円はドルにそのまま交換できるので韓国側にとっては通貨防衛のための武器となるが、日本側にとってローカル通貨ウォンはほとんど役に立たないはずだ。国内の反日ムードの中で、韓国政府は頭を下げてまで日本に延長を申し入れる気にはならなかったし、日本側も要請がない限り手を差し伸べるまでもない。
最近の日韓政府間合意にもかかわらず、朴政権は慰安婦像撤去にも応じない。島根県竹島の不法占拠を続け、日本人上陸を阻止する韓国に対し、韓国にとって虫のよいスワップに応じるべきではないとの反発が日本国内にある。だが、日本の国益に結びつく条件を確保する冷たい頭で応じることが財務官僚に求められる。
条件とは、まず韓国側が、公正で自由な外為相場の制度に改めることだ。韓国は市場操作により、ウォンの対ドル相場を安くしている、と米当局から強く批判されている。韓国側は否定するが、対ドルばかりでなくウォンの対円裁定相場を押し下げ、日本企業との競争条件を有利にしようとしてきたフシもある。