しかし、市場からは「量的緩和の限界を公に認められず、枠組み変更でごまかした苦肉の策」(証券系エコノミスト)との厳しい見方も出ている。今後も日銀の国債保有残高は増え続けるが、日銀幹部は、新たに買い入れる国債を年80兆円から少しずつ減らす可能性を認める。
日銀の黒田東彦総裁は21日の記者会見で、枠組みの修正は「テーパリング(緩和縮小)ではない」と強調した。だが、国債買い入れ量が減れば、市場は緩和縮小とみなし、金利が急変動する恐れもある。
一方、消費者物価指数は5カ月連続で前年割れし、2%の物価目標達成への不透明感が高まっているにもかかわらず、追加緩和カードは温存した。米国の利上げや英国の欧州連合(EU)離脱交渉など世界経済の先行きが見えにくくなる中、マイナス金利の深掘りを見送り、過度な円高が進んだ場合に備えて選択肢を残す道を選んだ。(藤原章裕)