
航空自衛隊のF2戦闘機(防衛省のホームページから)。F2の後継機となるF3戦闘機開発をにらんだ企業選定作業が始まった【拡大】
米国のF22とF35、ロシアのТ-50(PAK FA)、中国の「殲-20」と「殲-31」など世界各国の空軍はすでに最新鋭のステルス性能を持つ第5世代の戦闘機の運用や開発を進めている。
こうした中、日本では今年4月に「先進技術実証機」(通称・心神)の初飛行が実施されるなどステルス戦闘機開発に向けたテストが行われている。米露中など世界各国の空軍の趨勢を考慮すると、F3は第5世代の戦闘機と同等かそれを上回る性能が求められることになる。
日本を覆うF2開発の苦い経験
防衛省は平成22年8月にまとめた「将来戦闘機の開発ビジョン」の中で、F3の開発費を5000~8000億円と見積もっている。しかし、F2の開発費は当初見積もりの1650億円から3270億円へと約2倍に跳ね上がった。こうしたことを踏まえると、F3のそれは1兆円を超える可能性がある。
米国との共同開発となったF2には、日本側に苦い経験がある。国産のF1支援戦闘機の老朽化に伴い、1980年代にスタートしたF2の開発構想は当初、日本側が国内開発を前提に計画を進めようとしたのに対し、米国は技術的に優位にあった戦闘機用の大出力エンジンの供与を拒否。日米貿易摩擦などを背景に結局、F2は米国のF16戦闘機をベースとした日米共同開発となった。