【米大統領選】トランプ、クリントン両候補は「世紀の討論」で何を訴えたか (2/3ページ)


【拡大】

■【貿易】TPP承認かわす

 経済政策に関してトランプ氏は、クリントン氏が国務長官在任中に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を推進していたことを糾弾。一方のクリントン氏はトランプ氏の経済政策は富裕層優遇が狙いだとして、かえって雇用の喪失を招くと主張した。

 「雇用が米国から流出している」。トランプ氏は討論会での最初の発言で、米国で進む製造業の衰退に焦点を当てた。トランプ氏はTPPはさらなる雇用流出を招くと批判。かつてTPPの旗振り役だったクリントン氏は「TPPを承認しようとしている」と指摘した。

 これに対してクリントン氏は国務長官退任後、日米など12カ国が合意した内容には反対していると反論した。しかしトランプ氏は「それならオバマ大統領が過ちを犯したということか?」とたたみかけた。

 トランプ氏が製造業にこだわるのは、米国経済の回復基調が続く中でも製造業は中国など新興国との競争で苦戦しているからだ。製造業での就業者数は1999年から2015年までの間で500万人も減少。自動車や鉄鋼産業の退潮が指摘されるオハイオ州やペンシルベニア州は大統領選の激戦州と位置づけられる。

 しかし討論会ではクリントン氏が経済政策で攻勢に転じる場面もあった。トランプ氏が過去の破産で取引先に損失を与えたとして、実業家としての手腕や誠実さに疑問を投げかけた。(ワシントン 小雲規生)