最近になって方谷を再評価する声も上がり始めた。全日空の社長、会長を務めた大橋洋治相談役(76)もその一人だ。大橋さんは社長時代、米中枢同時テロの発生などで業績が悪化し、希望退職などのリストラに取り組まざるを得なかった。
社員説明会には「至誠惻怛」の精神で臨み、会社の現状を説明して理解を求めた。「誠を尽くして人に接すれば、道は通じることを学んだ」と大橋さんは振り返る。
こうした方谷の功績を多くの人に知ってもらいたいとして、NHKの大河ドラマ化を目指す100万人の署名活動も進められている。現在まで77万人の署名を集めたという。方谷は改革者だけでなく、教育者などの顔も併せ持つ。その奥深い足跡を今後も探っていきたいと考えている。