ただし市場化を求める米国など先進国でも、市場経済への不信感は広がっている。米大統領選では「米国第一主義」を掲げる共和党のドナルド・トランプ候補が支持を拡大。英国は移民問題への懸念を背景に国民投票で欧州連合(EU)離脱を決め、EUの自由貿易圏から離れるリスクを冒した。G20会合では、これらの内向き姿勢が貿易の縮小につながり、経済成長の足を引っ張るとの危機感が共有された。
人民銀は独自姿勢
中国側にはこうした欧米の潮流を利用して、あくまで中国の流儀を貫こうという姿勢も垣間見える。
中国人民銀行(中央銀行)の易綱副総裁は6日、IMF本部で開催されたイベントで、市場経済に基づく自由貿易体制がもたらした成長の果実が人々の間で均等に配分されていないと指摘。「反グローバリズムが人々の感情にアピールする理由になっている」と述べた。
米国などは、市場経済化や自由貿易は経済拡大を後押しするもので、配分する果実自体を大きくするとの立場。配分の公平性は別の政策課題として対応すべきだと主張する。ルー氏は「市場の力がより大きく発揮されれば、中国は自分の首を絞めずにすむ」と強調している。(ワシントン 小雲規生)