7月は政府が大型の経済対策を打ち出す中で、日銀が一体感を打ち出すために追加緩和に動くとの観測が高まっていた。ただ、実際に決まったのは、株価下支えにつながる上場投資信託(ETF)の購入額の倍増だけ。市場では「物足りない」と失望感が広がり、決定が伝わった直後は一気に2円程度円高が進んだ。
現状維持の3月、4月、6月は、当日から円高で反応。新たな枠組みを決めた9月も、決定直後の東京市場で一時1ドル=102円台まで円安に振れたが、その日の欧米市場で1ドル=100円台まで円高が進んだ。
物価2%シナリオ描けず
今年に入って開かれた6回の決定会合が置かれた状況はそれぞれ異なる。為替は日銀の金融政策だけでなく、米国の利上げの行方、その他の要因が複雑に絡み合って動く。決定会合後に円高に振れたのは偶然の一致といえばそれまでだ。
しかし、日銀の政策運営にも一因があるとみる市場関係者は少なくない。みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは「(以前のように)日銀の緩和的な姿勢を市場が評価して円安になっていく、という力がだいぶ弱まっているのではないか」と指摘する。