日銀が9月に新たな枠組みを決めるまで緩和策の中心にあったのは国債の大量買い入れだが、市場では遠からず行き詰まるとの見方が広がっていた。1月に導入を決めたマイナス金利政策も、市場では効果よりも銀行の収益圧迫や保険・年金の運用難といった副作用のほうが注目されがちだった。こうした大規模な緩和策に限界論がつきまとう一方、目標とする2%の物価上昇は達成が見えない。
三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「今年は、日銀の政策に対する信認が揺らいでいた。2%の物価上昇に向けた政策が強く信認されれば円安材料になるが、市場関係者は2%の物価上昇シナリオをなかなか描きにくく、円安にはつながらなかった」と語る。
市場の信認取り戻せるか
限界論を払拭すべく日銀が9月に決めた新たな枠組みは、政策の軸足を市場に供給するお金の「量」から長短の「金利」に転換するもので、長期金利が0%程度で推移するよう誘導するとした。ただ、長期金利は将来の経済動向や海外の経済情勢などの影響を受けやすく、日銀が完全にコントロールするのは難しい。