JR九州、民営化から苦節30年で上場 不動産など多角化が奏功 課題は本業 (1/2ページ)

JR九州の上場セレモニーで鐘を鳴らす青柳俊彦社長=10月25日午前、東京証券取引所(山崎冬紘撮影)
JR九州の上場セレモニーで鐘を鳴らす青柳俊彦社長=10月25日午前、東京証券取引所(山崎冬紘撮影)【拡大】

 国鉄分割民営化から30年を前に25日、JR九州が株式上場した。車両製作に著名デザイナーを起用するほか、豪華列車の運行などで観光誘致をリードするとともに、不動産開発をはじめとする事業の多角化で、悲願の完全民営化を果たした。「ドル箱路線」を持たない同社の成長戦略は、いまだ上場の見通しが立たないJR北海道、四国、貨物3社への道しるべともなりそうだ。(山沢義徳)

 上場後の記者会見で、青柳俊彦社長は「本当に長い道のりだった。30年前の発足時に、上場をイメージした人がどれだけいたか…」と感慨深げに述べた。

 首都圏路線や東海道新幹線といった収益の太い柱を持たない同社は、駅ビルなど不動産事業を筆頭に収益源を多角化。平成26年からは東京都内でホテル事業も展開し、営業エリア外へ積極的に進出した。結果、駅ビル不動産部門は28年3月期に営業利益204億円を計上。鉄道に依存しない体質を構築したことが、輸送人員の少ない「三島会社」で初の上場へと結実した。

 しかし裏を返せば、本業の鉄道部門が収益面で足を引っ張る構図は変わっていない。東京商工リサーチによると、28年3月期の鉄道部門の営業損益は115億円の赤字だった。国土交通省などによると、JR九州の在来線20路線のうち、収支が黒字なのは福岡都市圏の篠栗線だけだ。

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