【モスクワ=黒川信雄】ロシア極東発展省が、日本と協議中の極東地方の経済協力計画が1兆ルーブル(約1・7兆円)規模に上ると発表したことをめぐり、在ロシアの日本企業関係者の間で困惑が広がっている。露側の提案とされる計画には実現の可能性が低い内容も含まれているためで、「金額を一方的に発表し、日本側の投資を引き上げようとしている」との見方も出ている。
露極東発展省は25日、オシポフ第1次官と日本の経済産業省担当者が協議した結果として、計画は18件で1兆ルーブル規模に上ると明らかにした。具体的な項目も一部紹介し、日本企業による木材加工分野への投資や野菜温室栽培施設の拡張など、「高度な準備段階にある」案件が明記された。
一方で、サハリンと北海道を結ぶ送電や鉄道網、ガスパイプライン建設など、日本の法制度や需要の面からみて、実現が困難とみられる案件も挙がっていた。
極東発展省の広報担当者は26日、産経新聞の取材に「発表内容以上のことは述べられない」とし、1兆ルーブルの詳しい内訳などを明かさなかった。
発表で事業内容と社名が指摘された日系企業関係者は、「(極東発展省から)実施の提案はあったが、検討すると約束しただけで同意はしていない。ただ、“迷惑だから発表は控えて”ともいえない」と困惑していた。