
財政制度等審議会であいさつする吉川洋会長(右)=27日、東京都千代田区の財務省【拡大】
財務省は厚労省が見込む自然増約6400億円から1400億円程度絞り込む考え。医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」で70歳以上の負担上限を現役並みに引き上げることなどを提言している。
首相は14日の経済財政諮問会議で高額ながん治療薬の薬価引き下げなど社会保障改革推進を指示。財務省幹部は「官邸もやる気」と歳出抑制に意欲を示す。ただ17年度は16年度の診療報酬改定のような制度見直しがなく、財務省の改革案は利用者に直接の負担増を求める項目が並ぶ。身近にいて日ごろから診察してくれる「かかりつけ医」以外を外来で受診した際に定額負担を求める案をめぐっては、26日の社会保障審議会で反対意見が相次いだ。
衆院選が取り沙汰される中、支持者の反発を恐れる与党の圧力も予想され「圧縮幅1400億円」実現を危ぶむ声も上がり始めた。
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■主要国の医療提供体制
(平均入院日数/総病床数/臨床医師数)
・日 本
30.6/13.3/2.3
・ドイツ
9.1/8.3/4.1
・フランス
10.1/6.3/3.3
・イギリス
7.1/2.8/2.8
・アメリカ
6.1/2.9/2.6
※財務省資料より。病床数、医師数は人口1000人当たり。