どこまで増えるか、訪日外国人客 「2020年4千万人」目標の現実味は? (2/2ページ)

訪日外国人旅行者数の推移
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 だが「20年に4000万人」の目標達成には疑問符が付く。SMBC日興証券の試算では、達成には来年以降も約14%の伸びが不可欠だが、今年3月まで3割を超えていた伸び率は4月以降、ほとんどの月で10%台に鈍化した。同証券の宮前耕也シニアエコノミストは「円高に加え、宿泊施設不足などの供給制約が影響している」と分析する。

 カギを握るのは、受け入れ態勢の充実だ。観光庁は訪日客の宿泊先が東京や大阪など特定地域に偏っている実情などを踏まえ、一般住宅に有料で旅行者などを宿泊させる「民泊」の規制緩和を進めるほか、食文化などの地域資源を商品化する取り組みを進める。民間調査では、訪日客が日本で言葉が通じないことを最大の不安要素としており、多言語化も含め意思疎通の取り組みも求められる。

 菅義偉官房長官は31日の会見で、2000万人突破は「あくまで中間点」と強調した。宮前氏は「ビザ緩和やハード面の整備だけでなく、日本人にとってのハワイのように、コミュニケーションも含めた快適な滞在環境を地域でつくり、訪日客のリピーターを増やす必要がある」と指摘している。(佐久間修志)