過度な保護主義 日本経済に逆風 (1/2ページ)

 米大統領選でのトランプ氏の予想外の勝利は、日本経済と世界経済の逆風になる恐れがある。自由貿易への過度な反対姿勢は世界の貿易量の減少と成長鈍化につながりかねない。先行き不安から金融市場では混乱が始まっており、年末までに1ドル=95円まで円高が進むとも予想されている。

 トランプ氏の政策の立ち位置は「オバマ政権の否定」だ。その一つが自国産業への過激な「保護主義」。就任後、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)脱退を宣言する方針で、対米輸出が多い日本やメキシコ、中国の商品は関税を引き上げるとしている。

 こうした保護主義の本格化は円高の加速とあいまって、自動車、電機など日本の輸出産業に打撃となる。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の推計によると、昨年の商品貿易での米国の輸入総額は2兆2482億ドル(約230兆円)と、世界の約13%を占め、首位に立つ。世界最大の「買い手」が自由貿易に後ろ向きになれば、日本だけではなく世界的な経済の下振れ要因となり、金融市場の一層の動揺を引き起こしかねない。

 根強いのは、トランプ氏の政策で米国経済そのものが低迷し、日本や世界の経済に悪影響が及ぶとの指摘だ。